不動産投資を始めるなら知っておきたい3大リスク
不労所得(働かないで稼ぐ)といえば、不動産投資をイメージするでしょう。不動産投資は不労所得として、あるいは副業として興味がある方も多いでしょう。また、将来の年金代わりになるなど、さまざまなメリットがあります。
不動産投資に関するCMもあり、本屋でも不動産投資に関するノウハウ本も積まれていますので、安全なイメージがありますが、しかし、不動産投資も投資である為、それなりのリスクがあることはちゃんと認識しておかなければなりません。
本来であれば仲介業者などが販売前にきちんと説明しなければならないのですが、営業手法としてメリットばかりを強調し、リスクについてはさらっとした感じの説明が多いです。
不動産投資に安易に参入して失敗し、最悪の場合は自己破産ということになってしまう事もあります。そうなりたくなければ、不動産投資におけるリスクをしっかり把握するのは必須です。
今回は不動産投資に関する最も大事な以下の「3大リスク」を紹介します。
- 財務リスク
- 運用・売却リスク
- 老朽・震災リスク
1.財務リスク
不動産投資をはじめる際、最初に理解しておくべきリスクは「財務リスク」つまり借入返済及び利息の支払にかかるリスクです。
多額の買い物になるので、金利が1%違うだけでも総支払金額は大きな差となります。場合によっては予想外の支出になりかねません。
1-1. 金利上昇のリスク
金融機関などのローンで購入した場合、将来、金利上昇リスクがあります。金利にも「固定金利」と「変動金利」の2種類があります。
固定金利は、金利こそ割高ですが完済まで利率がかわりません。これに対し、5年ごと、10年ごとなど定期的に経済動向に応じて利率が変動するのが変動金利です。政府のゼロ金利政策により変動金利は現在、固定金利より低く抑えられていますが将来的には固定金利より高くなる可能性もあります。
変動金利を選択した場合、金利上昇リスクにさらされていることになります。借入金額は数千万円になりますので、金利が1%上がっただけでも年間数十万の支払増となるのです。
1-2. 税金
不動産に関してはさまざまな税金が付きまといます。
不動産投資に関する税金として、購入から運用そして売却まで税金が関係してきます。主な税金として、
すべてにおいて税金を課せられる事になります。特に売却時に関しては経済動向や短期譲渡・長期譲渡の利率を把握して、適切なタイミングで売却しなければより多くの税金を払うことになるので譲渡所得に関する知識は習得したほうがよいでしょう。
1-3. 悪質な不動産会社による販売
消費税増税による「駆け込み需要」というワードを聞いた事がある方は多いと思います。不動産会社にとっては、これを利用し今が買い時のような販売文句で営業をかけてきます。
増税前に購入したほうがよいというのは決して信用してはいけません。
投資用マンションの販売業者には安定収入のある人をリストアップした名簿が出回っています。業者はその名簿にしたがい、片っ端から営業電話を仕掛けてきます。増税の際は特にたくさん掛かってきて、不安を煽るためか「増税前に買わないと損しますよ」と。業者の煽りに騙されてはいけません。
増税すればその分、販売価格が上がりますが、増税後はその反動で安くなることもあります。購入する判断材料として増税前だからというのはあまりに短絡すぎるでしょう。
2.運用・売却リスク
続いて投資マンション購入後に発生するリスクについて解説します。
不動産投資で成功するためには「利回りの良い物件」が必要ですが、良い物件を購入できたとしても、成功するかどうかは運用する人次第です。
購入後にすぐ転売する人はあまりいないでしょう。一般的に10年以上は運用することになります。10年といえばけっこう長い期間です。想定外の問題、想定外の支出など多くの問題が発生します。
2-1. 空室リスクは常に付きまとう
投資マンションやアパートの運用を行う際は、その部屋を借りてもらえなければ収入はありません。空室があるだけで大きな赤字です。この状態が続けばいずれは資金繰りが難しくなります。
不動産投資において空室リスクを100%解決する方法はありません。管理会社によっては空室の場合に備えて家賃保証制度を売りにしているものもありますが、たいてい1カ月のみなどたいした保証にはなっていません。100%保証にするとすべての空室リスクを不動産会社が負うことになり、そんな会社はないのは予想できるかと思います。
空室リスクは100%あなたが負うことになります。
2-2. 家賃滞納してもなかなか追い出せない
世の中の人は生活苦に陥った場合、まず家賃を滞納し始めます。すぐに追い出せばいい、とお考えかもしれませんがそう簡単には行きません。なぜなら
日本の法律は、貸主より借主を保護するように出来ているため、なかなか追い出せない
のです。
6ヵ月以上も滞納しながら居座るケースもあり、被害は甚大とも言えます。
催促を管理会社に行ってもらえますが、それでも居座られてしまい、最終的には訴訟をおこすしか手立てがなくなってしまいます。そうなるとすぐに家賃を回収できないばかりか、訴訟費用など思いがけない多額の出費となる可能性があります。
2-3. 必ず売却できるとは限らない
不動産投資もあまりうまくいかず、売却をしようと考え始めたとします。しかし、必ず売れるという保証はどこにもありません。不動産は大きな買い物なのでなかなか買い手がつかないのです。
売ろうとしてもなかなか売れず、売却金額をどんどん安くせざるを得なくなり、結局損をしてしまうことになりかねません。
売れたとして銀行からの借入金も完済できない可能性も出てきます。
2-4. 事故物件
過去に事件や事故で人が亡くなった賃貸物件を通称「事故物件」といいます。事故物件は賃貸物件を探している人に告知する義務があります。従って、その物件に住みたいと思う人は皆無であり、貸主の希望する賃料よりはるかに安く貸し出されます。確実に赤字になるため、売却を考えるでしょう。しかし売却しようにも事故物件のため、買いたいという人を見つけるのはかなり困難でしょう。
3.老朽・震災リスク
日本は島国であり災害が特に多く発生する場所でもあります。そういった場所で不動産投資を行うことはリスクを伴うことは容易に想像できます。
3-1. 地震、火事などの震災
日本に地震の発生が多いことは承知のことですが、体感的にも1年間に10回前後の地震が起こっている地震大国です。
全ての建築物は国が定めた耐震基準を満たした建物ですが、しかし、東日本大震災のように想定外の大地震がまた起きないとも限りません。命だけでも助かれば幸いですが、建物が全壊してローンだけが残ってしまうことになればその後の生活は成り立たなくなるでしょう。
「火災保険」や「地震保険」の加入は必須です。
3-2. 修繕費用
新築で購入したとしても、早くて数年後には修繕費用が掛かってきます。例えば、屋根・外壁の修理、給湯器の交換、配管設備の交換など優良物件を維持するためには相応の費用が都度発生します。また10年~15年間隔で大規模修繕が行われるのが一般的です。その費用を負担するのはあなたです。
修繕費用は家賃の収益で少しずつ積み立てていくのが一般的ですが、大規模な修繕の場合はその積立だけで足りず、場合によっては、追加で銀行借入が必要になってくるかもしれません。その場合、財務リスクが増大することになります。
まとめ
不動産投資をするうえで考えられるリスクを紹介してきましたが、リスクの種類も多く、様々な問題が山積みのため、精神的なリスクも負わなければなりません。投資にはリスクが付きものですが、そのリスクを理解した上で適切にリスク回避しなければなりません。不動産投資を始めるのであればご自身でも十分な知識を得た上で行いましょう。
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