追伸 そろそろお前もお金について学ぶように 父より

お金について知ることで経済的にも精神的にも自由になりましょう。

デフレスパイラルは恐ろしいアリ地獄である話

前回はインフレについて解説しました。そこで今回はインフレとは対になるデフレに
ついて解説したいと思います。

日本はバブル崩壊後20数年ほどずっと、デフレの状態が続いています。
「景気拡大のためデフレ脱却めざす!」「なぜこんなにデフレが続くの?」
「失われた20年」なんてニュースなどでよく見聞きしますよね。

デフレと聞くと不景気というイメージがあります。これらはセットのように語られています。では、デフレってそんなに悪いことなのでしょうか?

はいそうなんです。けっこうヤバいことなんです。

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1.デフレ(デフレーション)とは
モノの値段が全体的に下がり、お金の価値が上がること。そしてこの状態が継続すること。これをデフレ(デフレーション)と言います。

インフレがモノの値段が全体的に上がり、お金の価値が下がることですので、デフレはインフレの逆のことですね。

例えば、今年1000円で買えてたものが、来年には900円で買えるようになるとします。
一見、そのまま1000円をもってて来年まで待てば100円安く買えて得しますよね。
なので「おお、デフレっていいんじゃない?」と思うかもしれませんね。

そういう考えもあるのですが、社会全体からすると、これけっこうヤパいことなのです。

2.なぜデフレが起こるのか

政府が年金をあてにせず老後2000万円を自分で用意するように、とか言っているというニュース。
みなさんはどう思いますか?

単純にそんな無責任な。そんなお金用意できないと思う方が多いんではないでしょうか。少なくともお金を景気よく使おうとは思いませんよね。

また、2019年10月から消費税の増税が施行されるのはみなさんもご存じでしょう。
消費税がアップすると聞いて、皆さんどう思いますか。
あまりモノを買うのを控えようと考えるでしょう。

これこそ、デフレが起こる原因なのです。
他にも、金利が上がるとお金を借りにくくなりますし、年金の削減や社会保険の負担増など。

「お金を使わないでおこう」と思うようなことが起きるとデフレが起こりやすいのです。

3.デフレのデメリット・問題点

個人でも会社でもみんながお金をつかわなければお金の流れが緩くなります。
「このお金の流れが緩くなる」という状態が続くことでデフレが起こり、景気が停滞してしまうのです。

デフレは経済全体に様々な悪い影響を及ぼします。

個人は将来不安のため、あまりお金を使わず貯金にまわします。
会社はどうかというと、モノが売れなくなる。
新しく設備を導入することもできないので新製品も作れません。
結果、企業の商品の値段を下げなければなりません。企業の業績は悪くなります。

企業の業績が悪くなればみなさんの給料を下げなければなりません。そしてリストラや
非正規社員の増加など深刻な社会問題へとつながります。

4.デフレスパイラルとは
上記3.デフレのデメリット・問題点で書いたことは循環することにお気づきでしょうか。
いわゆるスタートに戻るというやつです。

順を追って書くと

①商品の値段が下がる
②会社が儲からなくなる
③その会社で働いている人の給料が下がる
④給料が下がればお金を使わないようになる
⑤さらに商品が売れなくなる
⑥さらに商品の値段を下げる(⇒①へ戻る。以降繰り返す)

このような状態をデフレスパイラルと呼びます。
蟻地獄のように、なかなか抜け出せません。
恐ろしいですね。

5.デフレのメリット
デフレは社会全体的に悪い影響を与えるもので、問題点の方が圧倒的に多いのは言うまでもありません。
しかし、あえてメリットがあるとすれば、富裕層にとっては嬉しいと感じるでしょう。
なぜならお金の価値が上がるわけですから。デフレになればなるほどモノを安く買えますもんね。

既に大きな資産を築き上げた人にとってはデフレは大歓迎でしょう。

5.景気の"気"は気分の"気"
2019年10月、消費税の引き上げが予定されています。目的のひとつは財政赤字の解消ですが、デフレをさらに長期化させ、さらなる景気後退を招く可能性があります。

日本の税金は主に富裕層にとっては税率は高く、低所得者層は税率を低くしています。これは貧富の差を出来るだけ無くそうという思いがあってのことです。
しかし、消費税については違います。消費税は富裕層も低所得者層も一律に同じ税率が適用されます。
消費税増税は富裕層にとっては対した問題ではありませんが、一般の方にとっては家計に大きく影響するでしょう。

しかも、老後資産2000万円不足問題が話題となっている現在においては富裕層を除く国民は景気よくお金を使おうという気分にはならないでしょう。
景気の"気"は気分の"気"といわれ、みんなが将来に不安を感じれば景気が停滞することは歴史が物語っています。

ますますデフレが進行し、富裕層だけがその恩恵を受けることになるので、ますます貧富の差が広がるという問題が生じるのではないでしょうか。

6.デフレの解決策
個人や企業にはどうすることもできません。政府がちゃんと対策する必要があります。

次のような内容が、デフレの解決として効果的と考えられます。
・減税する
減税することで個人や企業が使えるお金が増えます
・公共事業の増加
 政府や自治体が道路工事や公園の設置など公共事業を行うことで、世の中にお金が出回る
金利を下げる
金利が下がるとお金が借りやすくなり、消費や投資が増える
社会保障の拡充
 年金額の維持アップ、社会保険料を減額することで、使えるお金が増える

7.まとめ

今回はデフレについてお話しました。
モノが安くなったからと言って喜んではいられないことは、理解していただけたと思います。今はデフレ状態が続き日本の景気は停滞しています。

企業の利益が増え、個人の給料が増える。そして投資と消費が増加すればデフレは解決。
「お金も増えてきたし、今後も景気は良さそうだ」とみんなが思えると、景気は拡大していきデフレも解消されます。
とりあえず個人が出来ることは今ある貯金を投資に回すことくらいでしょうか。
まずは株式投資などに目を向けてみてはいかがでしょうか。