追伸 そろそろお前もお金について学ぶように 父より

お金について知ることで経済的にも精神的にも自由になりましょう。

インフレ、デフレ、どっちが嬉しいかという話

前回、前々回とインフレ、デフレについてお話しました。

インフレは私たちの生活にどのような影響を与えるのかという話

デフレスパイラルは恐ろしいアリ地獄である話

ではデフレとインフレはどちらがいいのでしょうか。

政府は「インフレ率2%」を目標にしています。
なので景気拡大にはインフレが必要、デフレは悪いというイメージがあるのではないでしょうか。

しかもデフレスパイラルという言葉があるように、なんとなくデフレは悪いんだ、と考えてしまいそうです。

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1.インフレの問題点―ベネズエラの惨状

現在、南米のベネズエラで歴史上類をみないインフレが起きています。

前期比250万%を上回る水準で物価が高騰しています。
国際通貨基金IMF)の「世界経済見通し」によると、やがて1千万%まで上昇すると推測しています。

100円で買えたモノがどーんと10億円出さないと買えないというわけです。

原因は石油価格の下落や、政府の金融政策や財政政策の大失敗、アメリカからの経済制裁など、さまざまな要因が重なってのことですが、とにかく自国通貨の価値が激減、モノの値段が急騰し国民生活は成り立たなくなりました。

これだけ激しいインフレが起きると、お札は紙切れ同然です。人々はお金を受け取るとすぐに生活必需品を買いに走ります。
しかし、そもそもの生産性が落ちているため必然的に品不足になります。そして、さらにインフレ。という最悪のループに陥りました。

現在でも、解決の兆しは見られていません。

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 2.デフレの問題点

今の日本はデフレ社会と言われています。
先ほどのインフレと逆で、モノの値段が下がり続けています。

デフレの良い所は、モノが安くなるので給与が変わらなければ、より多くの物を買うことができることです。
しかし、企業側からすると、企業は儲かりません。よって社員の給与は減ります。さらに儲からないと、企業は社員をクビにするか、最悪の場合、企業は倒産します。

モノが売れない→モノの値段を下げる→給与が減る→モノが売れない

という悪循環(デフレスパイラル)に陥ります。

日本がデフレ社会になったのも、値段の安い中国や東南アジアの商品がたくさん日本に入ってきて、国内の企業は安い海外製品と戦うために値段を下げざるを得ない状況になっていることが原因と言われています。

また、日本企業同士も、さまざまな企業努力によりモノやサービスの低価格を実現していますので、本当は国民生活は豊かになるはず。
しかし、日本人はお金を使わず貯金することを美徳とする考え方があります。

従って日本のデフレはなかなか解決しない状況が続いています。

3.まとめ

インフレ、デフレ、どちらが嬉しいか?
必ずしも、どちらが良いとか悪いとかはありませんが、どちらも行き過ぎるとヤバいのは事実です。

理想は、政府が「インフレ率2%目標」としているように、ゆるやかな物価の上昇に伴い賃金も上がっていくことでしょう。
インフレかデフレかは、企業業績や国民生活に影響します。
急激な騰落をしないよう、政府にはしっかりやってもらいたいところです。

デフレスパイラルは恐ろしいアリ地獄である話

前回はインフレについて解説しました。そこで今回はインフレとは対になるデフレに
ついて解説したいと思います。

日本はバブル崩壊後20数年ほどずっと、デフレの状態が続いています。
「景気拡大のためデフレ脱却めざす!」「なぜこんなにデフレが続くの?」
「失われた20年」なんてニュースなどでよく見聞きしますよね。

デフレと聞くと不景気というイメージがあります。これらはセットのように語られています。では、デフレってそんなに悪いことなのでしょうか?

はいそうなんです。けっこうヤバいことなんです。

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1.デフレ(デフレーション)とは
モノの値段が全体的に下がり、お金の価値が上がること。そしてこの状態が継続すること。これをデフレ(デフレーション)と言います。

インフレがモノの値段が全体的に上がり、お金の価値が下がることですので、デフレはインフレの逆のことですね。

例えば、今年1000円で買えてたものが、来年には900円で買えるようになるとします。
一見、そのまま1000円をもってて来年まで待てば100円安く買えて得しますよね。
なので「おお、デフレっていいんじゃない?」と思うかもしれませんね。

そういう考えもあるのですが、社会全体からすると、これけっこうヤパいことなのです。

2.なぜデフレが起こるのか

政府が年金をあてにせず老後2000万円を自分で用意するように、とか言っているというニュース。
みなさんはどう思いますか?

単純にそんな無責任な。そんなお金用意できないと思う方が多いんではないでしょうか。少なくともお金を景気よく使おうとは思いませんよね。

また、2019年10月から消費税の増税が施行されるのはみなさんもご存じでしょう。
消費税がアップすると聞いて、皆さんどう思いますか。
あまりモノを買うのを控えようと考えるでしょう。

これこそ、デフレが起こる原因なのです。
他にも、金利が上がるとお金を借りにくくなりますし、年金の削減や社会保険の負担増など。

「お金を使わないでおこう」と思うようなことが起きるとデフレが起こりやすいのです。

3.デフレのデメリット・問題点

個人でも会社でもみんながお金をつかわなければお金の流れが緩くなります。
「このお金の流れが緩くなる」という状態が続くことでデフレが起こり、景気が停滞してしまうのです。

デフレは経済全体に様々な悪い影響を及ぼします。

個人は将来不安のため、あまりお金を使わず貯金にまわします。
会社はどうかというと、モノが売れなくなる。
新しく設備を導入することもできないので新製品も作れません。
結果、企業の商品の値段を下げなければなりません。企業の業績は悪くなります。

企業の業績が悪くなればみなさんの給料を下げなければなりません。そしてリストラや
非正規社員の増加など深刻な社会問題へとつながります。

4.デフレスパイラルとは
上記3.デフレのデメリット・問題点で書いたことは循環することにお気づきでしょうか。
いわゆるスタートに戻るというやつです。

順を追って書くと

①商品の値段が下がる
②会社が儲からなくなる
③その会社で働いている人の給料が下がる
④給料が下がればお金を使わないようになる
⑤さらに商品が売れなくなる
⑥さらに商品の値段を下げる(⇒①へ戻る。以降繰り返す)

このような状態をデフレスパイラルと呼びます。
蟻地獄のように、なかなか抜け出せません。
恐ろしいですね。

5.デフレのメリット
デフレは社会全体的に悪い影響を与えるもので、問題点の方が圧倒的に多いのは言うまでもありません。
しかし、あえてメリットがあるとすれば、富裕層にとっては嬉しいと感じるでしょう。
なぜならお金の価値が上がるわけですから。デフレになればなるほどモノを安く買えますもんね。

既に大きな資産を築き上げた人にとってはデフレは大歓迎でしょう。

5.景気の"気"は気分の"気"
2019年10月、消費税の引き上げが予定されています。目的のひとつは財政赤字の解消ですが、デフレをさらに長期化させ、さらなる景気後退を招く可能性があります。

日本の税金は主に富裕層にとっては税率は高く、低所得者層は税率を低くしています。これは貧富の差を出来るだけ無くそうという思いがあってのことです。
しかし、消費税については違います。消費税は富裕層も低所得者層も一律に同じ税率が適用されます。
消費税増税は富裕層にとっては対した問題ではありませんが、一般の方にとっては家計に大きく影響するでしょう。

しかも、老後資産2000万円不足問題が話題となっている現在においては富裕層を除く国民は景気よくお金を使おうという気分にはならないでしょう。
景気の"気"は気分の"気"といわれ、みんなが将来に不安を感じれば景気が停滞することは歴史が物語っています。

ますますデフレが進行し、富裕層だけがその恩恵を受けることになるので、ますます貧富の差が広がるという問題が生じるのではないでしょうか。

6.デフレの解決策
個人や企業にはどうすることもできません。政府がちゃんと対策する必要があります。

次のような内容が、デフレの解決として効果的と考えられます。
・減税する
減税することで個人や企業が使えるお金が増えます
・公共事業の増加
 政府や自治体が道路工事や公園の設置など公共事業を行うことで、世の中にお金が出回る
金利を下げる
金利が下がるとお金が借りやすくなり、消費や投資が増える
社会保障の拡充
 年金額の維持アップ、社会保険料を減額することで、使えるお金が増える

7.まとめ

今回はデフレについてお話しました。
モノが安くなったからと言って喜んではいられないことは、理解していただけたと思います。今はデフレ状態が続き日本の景気は停滞しています。

企業の利益が増え、個人の給料が増える。そして投資と消費が増加すればデフレは解決。
「お金も増えてきたし、今後も景気は良さそうだ」とみんなが思えると、景気は拡大していきデフレも解消されます。
とりあえず個人が出来ることは今ある貯金を投資に回すことくらいでしょうか。
まずは株式投資などに目を向けてみてはいかがでしょうか。

インフレは私たちの生活にどのような影響を与えるのかという話

みなさんはインフレ・デフレという言葉自体は聞いたことがあると思います。

日本はバブル崩壊以降の1990年~現代にかけて景気が悪いとかモノが売れないとか、なかなか景気がよくない状態が続いています。いわゆるデフレ社会となっています。
国会討論でも景気上昇に関してよく議論されています。
ニュースではインフレ率2%が目標という言葉を聞いたりしますよね。
インフレなると景気拡大になるということなのでしょうか。

今回は、このインフレについて何が良くて何が問題なのかをお話したいと思います。

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1.インフレ(インフレーション)とは

インフレを簡単に言うと、モノの値段があがること、つまり物価が上昇することをいいます。これが社会全体的にしかも継続的に上昇することです。モノの値段が上がるというニュースはよくあるのであまりいいイメージをしないかもしれませんが、けっして悪いことばかりではありません。

それでは、インフレが起きると私たちの生活にどのような影響があるのでしょうか。
まずはなぜインフレが起きるのかをお話します。

2.なぜインフレは起こるのか
インフレには「ディマンドプルインフレ」と「コストプッシュインフレ」の2種類があります。

・ディマンドプルインフレとは

ある商品を欲しい、買いたいと考える人がたくさんいるが、モノがそれほど多くない場合、そのモノの値段が上がることがあります。
これを「ディマンドプルインフレーション」と言います。

例えば、冷夏になると夏野菜(トマト、ゴーヤ、茄子、きゅうり)が不作となり、スーパーに行くと夏野菜が軒並み値上がりしていることは「ディマンドプルインフレ」の代表例です。

・コストプッシュインフレとは

モノを作るための原材料が何らかの理由で値段が上がり、モノを作るための費用がかかる結果販売価格が上がる状態。
これを「コストプッシュインフレ」と言います。

例えば中東で戦争が勃発したとします。産油国は戦争のためにお金が必要になるため原油価格を値上げします。

そうなると原油を原材料や燃料にするガソリン、電気、プラスチックなどの値段は上がるでしょう。

いわゆる昔起きた「オイルショック」というやつで、デパートに消費者が殺到しトイレットペーパーを取り合う現象が起きました。

いずれもなにか悪いことしか起きないようですが、ちゃんとメリットもあります。

3.インフレのメリット

インフレによって物価が上がると、その国のお金の価値が下がります。日本円で言えば、円安になるということです。
1ドル=100円だったものが1ドル=120円になるということですから、ドルを持っている人にとってはお得ですよね。

ドルを持っていると日本製品を安く買えることができるので輸出産業が潤います。

また、海外の人たちは、安く日本を訪れることができるため、外国人観光客が増えます。外国人観光客が日本でたくさん買い物をしてくれると日本企業は潤い、皆さんの給料も増えます。
これは日本経済にとって大きなメリットといえるでしょう。

4.インフレのデメリット

メリットのところでも書きましたが、インフレとはお金の価値が下がるということです。

お金の価値が下がるのです。

たとえば、銀行に100万円預けていたとしましょう。何もしなければ今まで100万円で買えてたものが値段があがったために買えなくなります。
つまり、100万円は100万円ですが実質的にその価値は目減りしていくことになります。
高齢者の方にとっては自分の預金残高や年金の受取額が実質的に減ることになる。これは深刻な問題です。

日本円だけではなく、外国通貨や株などにも分散投資しておかなければかなり危険です。

5.ハイパーインフレとは

経済学の定義では、商品やサービスがコントロールできないくらいに上昇する状況をハイパーインフレと呼んでいます。
簡単に言い換えれば、ハイパーインフレは非常に急速な物価上昇をいいます。

一般的に、インフレ率が月に50%以上で成長するとき、ハイパーインフレと呼びます。
アメリカの経済学者フィリップ・ケイガンは、彼の著書「ハイパーインフレーションの貨幣力学」で最初にこれを定義しました。

そんなことが本当に起きるのかと思うかもしれませんが、世界で過去何度も繰り返されており、最悪の場合国家が破綻し、戦争をも引き起こしかねません。

最近で起きたハイパーインフレベネズエラ(2013年~)でこれは現在進行形で進んでいます。

ベネズエラハイパーインフレの要因は、国際的な原油価格の低下です。
ベネズエラは経済の柱のほとんどを原油の輸出が担っていましたから、この下落により政府への信頼が揺らぎました。さらには、外国企業の追放など反米的な政策をしたためアメリカの経済制裁が加わりました。

国の財政はボロボロ、そのため新たな通貨を印刷することとなりました。
それによりインフレは急加速し2013年に41%、2014年に63%、2015年に121%、2016年に481%、2017年に1,642%、2018年に2,880%、そして2019年に3,497%に上昇することとなります。凄まじいインフレで、国民生活は破綻し、多くの国民は国外へ逃げることとなりました。

6.インフレを解消するには

インフレはメリットもデメリットもあります。
お金を持っている人にとっては持っている資産が目減りするのでうれしくありません。
反対に、お金がなく借金を抱えている人にとっては、返す金額が減るので喜びますが、貸した人にとっては冗談じゃない、となります。

いずれにしてもお金の価値とモノの価値のバランスがうまくとれていない状態で、このままだと危険だとわかりますね。

ではインフレはどのように解消されていくのでしょうか。

ハイパーインフレの原因として政府がお金を新たに発行したことがありました。インフレは世の中のお金の総量が多くなり、そのためお金の価値が下がる状態でした。
これを解消するには、逆に世の中のお金の量を減らしてお金の価値を上げるようにします。

お金の量を減らすのに、政府は財政政策と金融政策で次のような政策をとります。

財政政策

増税する
増税すれば、みなさんがお金を国に治めるお金が増えるので、世に流通するお金の量は減ります。

社会保障を減らす
例えば、生活保護や年金を減らせば国が持っているお金を世の中に出さずに済みます。

・公共事業を減らす
国や地方自治体が行う公共事業、例えば道路工事やダム、橋の建設等を減らすとお金を世の中に出さずに済みます。

金融政策

公定歩合を上げる
日本銀行が、民間銀行に貸し付けを行うときの基準金利を上げる(=公定歩合を下げる)ことで、
民間銀行は日本銀行からお金を借りにくくします。結果、世の中に出るお金が減ることになります。

・世の中のお金を回収する(売りオペ)
日本銀行が市場から債券や手形を売って(=売りオペ)現金を回収することで、世の中のお金が減ることになります。

政府は上記の財政政策と金融政策をうまく組み合わせて、物価を安定させているのです。

7.まとめ
・インフレはモノの値段が上がり、お金の価値が下がること
・インフレの原因として、需要に対する供給不足(ディマンドプルインフレ)と原材料の高騰(コストプッシュインフレ)がある。
・インフレになると円安になり輸出産業や観光業が好調となり、景気が上昇する。
・インフレはお金の価値が下がるので、預金しか持たない人にとっては資産価値が減少していく。
・インフレを抑えるために政府は財政政策と金融政策をとる。

今回はインフレについてお話しました。これと対になる経済用語としてデフレ(デフレーション)があります。
次回はこのデフレについてお話したいと思います。

【名目】GDPは国の経済成長の指標である件【実質】

GDP」という言葉はニュースでもよく耳にするのではないでしょうか。モノの値段があがるとか、サラリーマンの平均ボーナスが昨年より上昇したなどのニュースを聞くと、景気が良くなった、悪くなったかの一応の判断にはなるかと思います。

同様に「GDP」も景気はいいのか悪いのか、経済成長しているのか、と言ったことを判断するうえで代表的な指標となっています。

しかし、「GDP」と言われてもどういうものかわかならいという方も多いかと思います。今回はこの「GDP」について、また「名目GDP」と「実質GDP」の違いについてお話したいと思います。

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1.GDPとは

GDPとは「国内総生産(Gross Domestic Product」といい、国内で一定期間内(一般的には1年間)に生産された商品やサービスの付加価値の合計額を表わす指標をいいます。 ここで付加価値とは新たに生み出された価値、いわば「日本の儲け」を意味します。

みなさんが普段、会社や個人事業主として仕事をし、商品やサービスという形で作り出した価値の合計がGDPとなります。

GDPは、日本の景気を測る指標として利用されており、内閣府により3か月ごとに発表されています。

これに類する指標でGNP「国民総生産(Gross National Product)」というものがありますが、こちらは国民が生み出した商品・サービスの付加価値の合計額を言います。
GDPとGNPの違いは、前者が国内で生産された価値で後者が国民が生産した価値となります。

例えば、イチロー元大リーグ選手や、八村塁選手など日本人が海外で仕事をして稼いだ場合は、日本のGDPには含まれませんが、日本のGNPには含まれます。
逆にプロ野球の助っ人外人やコンビニの外国人店員など外国人が日本で仕事をして稼いだ場合は、日本のGDPに含まれますが、日本のGNPには含まれません。

これは会社についても同様で、国内企業による海外での取引から得られた利益などは含まれません。

以前の経済指標としてはGNPがメインでしたが、近年のグローバル化で日本企業が海外進出したり、日本人が海外で活躍する人が増えてきたため、純粋な国の景気を判断する指標としてGDPがメインで利用されるようになりました。

なお、GDPは、市場で取引され対価が発生するものを対象としているため、家事やボランティアなどは含まれません。


2.名目GDPと実質GDPの違いは?
GDPと一言で言っても、名目GDPと実質GDPの二種類があります。

・名目GDP
一般的にGDPとは名目GDPのことで、国内で一定期間内に生産された商品やサービスの付加価値の合計額を表わす指標をいいます。その年に生産された商品やサービスについて、それぞれの付加価値を足し合わせて算出します。

日本のGDPアメリカ、中国に次ぐ世界3位です。アメリカのGDPは日本の約4.3倍、中国のGDPは2.6倍と上位2か国に差をつけられている状態です。
アメリカ、中国、日本は世界の経済大国としてベスト3といえますが、過去20年の推移を比べると決して同じ状況でないことがわかります。

日本の名目GDPは過去20年ほどの推移を見るとほぼ横ばい。2013年度から上昇基調に入ってはいますが、これはリーマンショック後の落ち込みを取り戻しているに過ぎません。これが「失われた20年」と言われる所以です。その間アメリカは約3倍に、中国は約20倍の成長がありました。

・実質GDP
実質GDPとは、国内で一定期間内に生産された商品やサービスの付加価値の合計額を表わす指標です。

名目GDPから物価変動の影響を除いて、その年に生産された商品やサービスの「真の価値」を現したものです。

例えば、ある年に、100円の缶ジュースを10本販売したとして、この場合のGDPは、100円×10本=1,000円となります。

そして、翌年に、缶ジュースの値段が100円から110円に値上げしてそれを10本販売したらどうなるでしょう。
名目GDPは、110円×10本=1,100円と算出するが、実質GDPの計算では10円の値上げ分は考慮されないので、実質GDPは昨年と同じく1,000円となります。

この場合、売上高の増加(1,000円→1,100円)は物価上昇によるものであり、販売数量が増えたわけではありません。
つまり、名目GDPは物価変動の影響を受けるため、どの程度経済が成長したか、本当に経済成長しているのかがわかりにくいのです。
従って、一国の経済の成長を判断する場合、一般的には実質GDPを重視します。一方、諸外国との経済成長を比較する場合は名目GDPを参考にするのが一般的です。

内閣府から発表された直近の日本の名目GDPと実質GDPの推移は以下の通りです。

  2018 Q1 2018 Q2 2018 Q3 2018 Q4 2019 Q1
名目GDP 548.7兆円 550.5兆円 547.0兆円 550.0兆円 554.3兆円
実質GDP 533.2兆円 536.3兆円 532.8兆円 535.2兆円 538.2兆円

 

3.株式投資するということ

企業は、ビジネスを行って売上を上げ、その結果利益がでるわけですが、この利益は、一部が配当として株主に分配されます。
つまり、株式を購入し保有し続けること(株主になること)で、企業が生み出す利益を受け取ることができるのです。

これがまさに株式投資です。株式投資であれば、長期にわたって経済成長しているアメリカの企業や急成長している中国の企業など、日本以外の国のGDP成長の恩恵を受けることも可能になります。

名目GDPにしても実質GDPにしても投資判断をする上で、参考情報になると考えられます。

4.まとめ
GDPは、国内の商品やサービスの付加価値の合計金額で「日本の儲け」と言える
GDPには、そのままの金額を表す名目GDPと物価の変化を考慮した実質GDPがある
・GNPは、国内外にいる日本人が生み出した付加価値の合計金額
・日本はアメリカ、中国に次ぐGDP世界第3位
・日本のGDPは過去20年間ほぼ横ばいであり成長しているとは言えない(失われた20年)
株式投資することで企業や諸外国の経済成長の恩恵を受けることができる

今回はGDPについてお話しました。アメリカや中国に限らず諸外国の経済成長を見るにはその国のGDP推移を見ることで、ある程度判断することができす。
海外投資を考えている方は、参考にしてみてはいかがでしょうか。

個人事業主が法人化を検討するベストなタイミングは?

個人事業主として事業をスタートし、軌道に乗った数年後に「法人化するべきか、個人事業主のままでいくべきか」多くの方が迷うのではないでしょうか。
信用の向上や税金対策など、法人化の動機はその人個々のおかれた状況により様々です。

法人化のメリットは大きく「社会的信用力の向上」及び「税金面での優遇」などがあります。

今回は、税金面にスポットをあてて、個人事業主が法人化した方がよいと思われるタイミングについて、お話いたします。
どのくらいの収入があれば法人化することを検討した方がよいのでしょうか。

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1.法人と個人の税制上の違いは? 

この両者のもっとも大きな相違点は、税率の違いにあります。
法人税は基本的に利益に対する税率が一定ですが、所得税は所得が上がるにつれて税率も上がっていく仕組みとなっています。
どちらも基本的に売上から費用を引いた利益に対して課税されるという点では共通しています。

従って、一義的にはこの両者の額を比較して、どちらが節税対策として有効かで法人化するかどうかを判断することになります。

2.どのくらいの利益額なら法人化すればいい?

会社と個人事業主では、費用に入れられる項目に多くの違いがあります。一般的に会社の方が多項目の費用計上が認められているので、同じ活動でも会社の方が利益が少なくなるというケースがあります。

両者の大きな違いとしては、
社会保険制度(個人事業主国民年金国民健康保険。会社は厚生年金、組合健康保険など)
・会社では社長の将来の保障などを目的に法人向け保険を費用として計上できる
役員報酬を費用として計上できる

なかでも役員報酬は、会社と個人事業主で大きく違う結果となります。
個人事業主では利益はすべて自分の所得になりますが会社では、役員報酬として会社から一定額の給与を受け取ることになります。
また役員報酬は、個人事業主の利益と異なり給与所得控除という控除が受けられるのも、法人化が有利な点です。

以上のように、会社の方が多項目の費用計上が認められているので、同じ活動なら会社の方が利益が少なくなるケースがあります。


一般的には年間600万から700万円程度の利益が出れば法人化の目安といわれています。

700万円くらいあれば役員報酬を年間400万円くらい受け取るとしても、他に法人向けの生命保険への加入や退職金制度の導入など、実質的に自分に対する報酬となる項目も費用に計上することでき、さらに利益が抑えられます。
これに、個人よりも低い税率を適用されるため税金対策として大きなメリットが得られると考えられます。

3.法人化は消費税の納税義務の発生にも影響する

法人化のタイミングとしてもうひとつ検討すべきなのが、消費税です。

個人事業主の場合、2年前の売上が1,000万円を超えた段階で、その年から消費税の納税義務者となります。1、2年目は2年前の売上がないため、消費税の納税義務は基本的には免除されます。

言い換えれば、1年目の売上が1,000万円を超えていれば3年目から消費税の納税義務が発生することになります。しかし、3年目に個人事業を廃止し法人化すれば、あらためて会社として2年前の売上で納税義務を判定することになりますので、さらに2年間は基本的に消費税の納税は免除されます。

このように法人化によって消費税の課税時期を先送りできることも法人化のメリットとして理解しておきましょう。

なお、以下の場合は上記にかかわらず消費税の納税義務が発生しますのでご注意ください。

・個人、法人いずれにおいても前年の前半6ヵ月で売上及び支払った給与の額がいずれも1,000万円を超えた場合
・法人の場合は期首資本金が1,000万円以上の場合

4.まとめ
・一般的には年間600万から700万円程度の利益が出れば法人化の目安といわれている。
個人事業主として利益が1千万円を超えた2年後を目安に法人化をすべきか検討する。

当然ながら、法人化にはデメリットもありますので、法人化を検討する際には税金面での損得よりも長期的な視点で総合的に判断する必要があります。

【個人事業】法人化のメリット・デメリット【法人】

新しく事業を始めようとすれば、個人事業としてスタートする方法、新しく会社を立ち上げて株式会社や合同会社などの法人としてスタートする方法があります。
また、個人事業主としてスタートし、ある程度の起動にのってくれば、法人化を検討することもあるでしょう。

一昔前と違って、今では比較的簡単に、会社を立ち上げることができます。しかし、
個人事業がいいのか、会社を立ち上げて法人にするほうがいいのか、それぞれのメリットとデメリットを理解している人はあまりいないように思います。

今回は法人のメリットとデメリットについて個人事業主と比較してお話いたします。
どちらの形態をとるかによって、事業継続に大きな支障をきたす可能性もあるのでしっかり理解しましょう。

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法人化のメリットは「信用」と「節税」

・社会的信用度の向上
・節税によるメリット

1.社会的信用度の向上
法人化するということは手続的には、法律で決められた書類をいくつか作成し、関係省庁に提出するだけです。実態としては、個人事業主となんら変わらない場合が多いです。

しかし、個人事業主の場合、社会的な信用度は高くはありません。

個人事業主では数年間、利益を出し、しっかり納税しているにもかかわらず、住宅ローンの審査に落ちることもあります。
この点、法人化して会社の役員という地位になることで借入もしやすくなります。

また、日本古来の取引慣習は未だに健在で、個人事業主とは取引しないという企業もまだまだたくさんあります。
人材採用の面においても、個人事業主よりも法人として求人募集をした方が、より優秀な人材を確保できる可能性が高まると考えられます。

法人化することにより、社会的信用度が向上するという点は大きなメリットになるでしょう。

2.節税によるメリット

個人事業は所得税が適用されますが、法人化することで得た利益は法人税が適用されます。両者は法律が違うのです。

法人では経費として認められる範囲が広く、家族に自由に給与を支払うことが可能になり所得を分散することができます。

また、所得税累進課税で所得に応じて税率が5%から45%かかり、また住民税が10%かかります。
法人の場合は所得税、住民税及び事業税を合わせて大体35%くらいです。

つまり、利益が上がれば上がるほど、法人化した方が税金が安くなります。
だいたい年間の所得が約500万円を超えるのであれば、法人税の方が安くなります。
 
法人化のデメリットは「コスト増」と「事務作業増」

・会社の維持費(ランニングコスト)が必ずかかってくる
・事務作業の増加
 
1.会社の維持費(ランニングコスト)が必ずかかってくる
会社を作るだけなら、数十万円程度で所定の手続きさえ行えば比較的簡単にできますが、重要なのは会社を「維持」していくことにあります。

たとえば法人住民税均等割といって、毎年の確定申告で赤字であろうと必ず払わなければなりません。資本金1千万円以下の場合、毎年7万円の納税となります。

また、従業員を雇えば、彼らの社会保険のうち一部を会社が負担しなければならず、給与が高くなればなるほど、従業員数が多くなればなるほど企業が負担する社会保険料は高くなります。

次に述べるよう、社会保険労務士や税理士を雇う必要も出てきますので、それらに対する顧問報酬も発生します。

2.事務作業の増加
事務作業は個人事業主よりも格段に多くなります。

従業員の源泉徴収や納付、年末調整、労働保険や社会保険の手続きが新たに発生し、
会計処理も会社法に準拠した一定の方法で行わなければなりません。

法人税の確定申告書も個人事業主所得税確定申告書と比べて格段に書類の量が多くなります。

これらは本業とは全く関係ないため、事務作業専門の従業員を雇うか、専門家である社会保険労務士や税理士と顧問契約する必要があります。

まとめ

上記に述べた法人のメリット、デメリットは最低限しっかり理解し、どちらの形態をとるか判断しなけらばなりません。
法人はとにかく事務負担が大きいため、売上があっても利益はあまりなかったり、
事業規模が小さい状態だったりする場合は、個人事業主のほうがよいケースもあります。

確かに法人化にはメリットも多いですが、法人設立費用の数十万円、法人住民税の7万円、従業員の社会保険料などの負担が大きく会社を維持できない場合もあります。

まず初めは個人事業から初めて上手く事業が波に乗って安定的な利益がでてきたタイミングで法人化するなど無理なく事業を発展させていく方法を検討しなければなりません。

【FP資格】お金の勉強をするならファイナンシャルプランナーの資格の勉強がオススメ【FP検定】

お金を貯めたい。投資でお金を増やしたい。などお金について勉強して少しでも将来不安を取り除きたいと考える人も多いでしょう。
少なくとも自分の源泉徴収票を見て、きっちり説明できるようにはなりたいところです。

そうはいっても、日々忙しく働いている方々にとっては、いったい何から始めればいいのか。それがわからないまま、考えるのも面倒だし、お金についての勉強を後回しにしてしまっているのではないでしょうか。

今回は、お金に関する知識を効率的に学ぶためにFP(ファイナンシャルプランナー)の資格の勉強がかなりオススメ、という話をします。

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1.FP(ファイナンシャルプランナー)資格とは
2.FPで学べること
3.勉強の方法や試験日について
4.お金に興味が持つと人生が変わる!
5.まとめ

1.FP(ファイナンシャルプランナー)資格とは

ファイナンシャルプランナーとは読んで字のごとく「お金に関する専門家」と考えていいでしょう。
テレビのワイドナショー番組でも、お金に関する話題となるとよくファイナンシャルプランナーの方が解説者として登場しています。

そしてFP資格とは、FPとしての力量を測ったり、FPとしての実績や信頼を示すものとして、NPO法人、日本FP協会が認定する「CFP®資格」(上級資格)および「AFP資格」と、国家検定であるFP技能士(1~3級)があります。

これらの検定試験は誰でも受けることが可能です。
証券会社や銀行、保険会社など金融機関で働いている方は、ほぼ強制的に受験させられているようです。

金融機関で働いてる方でなくても、お金の勉強をしたいと考えている方は、FP技能検定3級から始めて2級合格レベルまで理解できれば、お金についての知識は十分です。お金に対する考え方も確実に変わるでしょう。

2.FPで学べること6つ

FP試験は下記6つの領域に大別されます。

・金融資産運用
・不動産運用
・ライフプランニング・リタイアメントプランニング
・保険
・タックスプランニング
・相続、事業承継

簡単に言うと「投資、不動産、人生設計、各種保険、税金対策、相続対策」といったところでしょうか。

これらの知識は、生きていくうえで知っていると知らないとでは天と地ほどの差がでてくると思います。知っていればかなり有利な情報が詰まっているのです。

例えば、実際に住宅ローンを利用して不動産を購入したり、保険を契約するときも、なんとなく専門家に任せていたことがちゃんと話を理解することができ、それらのリスクについてもある程度の予測ができるようになるでしょう。
将来予測が出来る分、今後の人生でかなりのアドバンテージではないでしょうか。

3.勉強の方法や試験日について

試験に合格することが目的ではないのですが、せっかく勉強するなら資格を取りたいですよね。FP検定は3級~1級まであって、当然ながら1級へ行くほど難易度が上がります。

3級ならユーキャンなどの通信講座で学ぶ方法もありますが、市販の参考書を使って独学でもいけます。勉強時間は1カ月程度でしょう。3級でお金についての大枠はかなり理解できます。
2級は多少細かい話は出てきますが、十分合格可能なので出来れば取得したいところです。モチベーションさえ維持できれば、2カ月くらいの勉強で合格できます。

勉強方法は人それぞれですが、個人的には参考書と問題集の2冊を買って、問題集を中心に分からないところは参考書で確認する方法がよいのではないでしょうか。
問題集を3回転やり込めば、ほぼ合格は間違いないでしょう。

試験時期は毎年1月、5月、9月の3回で、2ヶ月前から受付がスタートします。


4.お金に興味が持つと人生が変わる!

FP資格が取れたら、今以上にお金について興味が湧いてくるでしょう。
投資をしたり、年金について自分で色々調べるようになって…。そして、それは政治にも興味を持ち始めます。政治家に対して怒りを覚えることもあるかもしれません。
実際、年金がもらえなくなることに怒りを覚えない人はいないでしょう。
今まで行ったことがない投票へも行くんじゃないですか。

さらに、世界経済にも興味を持ち始め、ニュースはもちろん、アメリカ大統領がつぶやいた一言でさえ気になってしまうかも。
今まで何となく生きてきた生活が、少し刺激的なものになるのではないでしょうか。
周りの人のあなたを見る目が変わるかもしれませんね。

5.まとめ

・FP(ファイナンシャルプランナー)資格とはお金に関する全般的な検定試験である
・生きていく上で知っていると有利な情報がまとまっている(知らないと損をするかも)
・勉強のためなら3級でOK。できれば2級まで。1~2ヶ月で取得できる
・お金に興味が湧いて、人生が変わる

今回はお金の勉強として、ファイナンシャルプランナー資格を紹介しました。
目的はあくまでお金の知識を身につけることです。
これからの時代、損をしないためにも。