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【名目】GDPは国の経済成長の指標である件【実質】

GDP」という言葉はニュースでもよく耳にするのではないでしょうか。モノの値段があがるとか、サラリーマンの平均ボーナスが昨年より上昇したなどのニュースを聞くと、景気が良くなった、悪くなったかの一応の判断にはなるかと思います。

同様に「GDP」も景気はいいのか悪いのか、経済成長しているのか、と言ったことを判断するうえで代表的な指標となっています。

しかし、「GDP」と言われてもどういうものかわかならいという方も多いかと思います。今回はこの「GDP」について、また「名目GDP」と「実質GDP」の違いについてお話したいと思います。

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1.GDPとは

GDPとは「国内総生産(Gross Domestic Product」といい、国内で一定期間内(一般的には1年間)に生産された商品やサービスの付加価値の合計額を表わす指標をいいます。 ここで付加価値とは新たに生み出された価値、いわば「日本の儲け」を意味します。

みなさんが普段、会社や個人事業主として仕事をし、商品やサービスという形で作り出した価値の合計がGDPとなります。

GDPは、日本の景気を測る指標として利用されており、内閣府により3か月ごとに発表されています。

これに類する指標でGNP「国民総生産(Gross National Product)」というものがありますが、こちらは国民が生み出した商品・サービスの付加価値の合計額を言います。
GDPとGNPの違いは、前者が国内で生産された価値で後者が国民が生産した価値となります。

例えば、イチロー元大リーグ選手や、八村塁選手など日本人が海外で仕事をして稼いだ場合は、日本のGDPには含まれませんが、日本のGNPには含まれます。
逆にプロ野球の助っ人外人やコンビニの外国人店員など外国人が日本で仕事をして稼いだ場合は、日本のGDPに含まれますが、日本のGNPには含まれません。

これは会社についても同様で、国内企業による海外での取引から得られた利益などは含まれません。

以前の経済指標としてはGNPがメインでしたが、近年のグローバル化で日本企業が海外進出したり、日本人が海外で活躍する人が増えてきたため、純粋な国の景気を判断する指標としてGDPがメインで利用されるようになりました。

なお、GDPは、市場で取引され対価が発生するものを対象としているため、家事やボランティアなどは含まれません。


2.名目GDPと実質GDPの違いは?
GDPと一言で言っても、名目GDPと実質GDPの二種類があります。

・名目GDP
一般的にGDPとは名目GDPのことで、国内で一定期間内に生産された商品やサービスの付加価値の合計額を表わす指標をいいます。その年に生産された商品やサービスについて、それぞれの付加価値を足し合わせて算出します。

日本のGDPアメリカ、中国に次ぐ世界3位です。アメリカのGDPは日本の約4.3倍、中国のGDPは2.6倍と上位2か国に差をつけられている状態です。
アメリカ、中国、日本は世界の経済大国としてベスト3といえますが、過去20年の推移を比べると決して同じ状況でないことがわかります。

日本の名目GDPは過去20年ほどの推移を見るとほぼ横ばい。2013年度から上昇基調に入ってはいますが、これはリーマンショック後の落ち込みを取り戻しているに過ぎません。これが「失われた20年」と言われる所以です。その間アメリカは約3倍に、中国は約20倍の成長がありました。

・実質GDP
実質GDPとは、国内で一定期間内に生産された商品やサービスの付加価値の合計額を表わす指標です。

名目GDPから物価変動の影響を除いて、その年に生産された商品やサービスの「真の価値」を現したものです。

例えば、ある年に、100円の缶ジュースを10本販売したとして、この場合のGDPは、100円×10本=1,000円となります。

そして、翌年に、缶ジュースの値段が100円から110円に値上げしてそれを10本販売したらどうなるでしょう。
名目GDPは、110円×10本=1,100円と算出するが、実質GDPの計算では10円の値上げ分は考慮されないので、実質GDPは昨年と同じく1,000円となります。

この場合、売上高の増加(1,000円→1,100円)は物価上昇によるものであり、販売数量が増えたわけではありません。
つまり、名目GDPは物価変動の影響を受けるため、どの程度経済が成長したか、本当に経済成長しているのかがわかりにくいのです。
従って、一国の経済の成長を判断する場合、一般的には実質GDPを重視します。一方、諸外国との経済成長を比較する場合は名目GDPを参考にするのが一般的です。

内閣府から発表された直近の日本の名目GDPと実質GDPの推移は以下の通りです。

  2018 Q1 2018 Q2 2018 Q3 2018 Q4 2019 Q1
名目GDP 548.7兆円 550.5兆円 547.0兆円 550.0兆円 554.3兆円
実質GDP 533.2兆円 536.3兆円 532.8兆円 535.2兆円 538.2兆円

 

3.株式投資するということ

企業は、ビジネスを行って売上を上げ、その結果利益がでるわけですが、この利益は、一部が配当として株主に分配されます。
つまり、株式を購入し保有し続けること(株主になること)で、企業が生み出す利益を受け取ることができるのです。

これがまさに株式投資です。株式投資であれば、長期にわたって経済成長しているアメリカの企業や急成長している中国の企業など、日本以外の国のGDP成長の恩恵を受けることも可能になります。

名目GDPにしても実質GDPにしても投資判断をする上で、参考情報になると考えられます。

4.まとめ
GDPは、国内の商品やサービスの付加価値の合計金額で「日本の儲け」と言える
GDPには、そのままの金額を表す名目GDPと物価の変化を考慮した実質GDPがある
・GNPは、国内外にいる日本人が生み出した付加価値の合計金額
・日本はアメリカ、中国に次ぐGDP世界第3位
・日本のGDPは過去20年間ほぼ横ばいであり成長しているとは言えない(失われた20年)
株式投資することで企業や諸外国の経済成長の恩恵を受けることができる

今回はGDPについてお話しました。アメリカや中国に限らず諸外国の経済成長を見るにはその国のGDP推移を見ることで、ある程度判断することができす。
海外投資を考えている方は、参考にしてみてはいかがでしょうか。