インフレ、デフレ、どっちが嬉しいかという話
前回、前々回とインフレ、デフレについてお話しました。
ではデフレとインフレはどちらがいいのでしょうか。
政府は「インフレ率2%」を目標にしています。
なので景気拡大にはインフレが必要、デフレは悪いというイメージがあるのではないでしょうか。
しかもデフレスパイラルという言葉があるように、なんとなくデフレは悪いんだ、と考えてしまいそうです。
1.インフレの問題点―ベネズエラの惨状
現在、南米のベネズエラで歴史上類をみないインフレが起きています。
前期比250万%を上回る水準で物価が高騰しています。
国際通貨基金(IMF)の「世界経済見通し」によると、やがて1千万%まで上昇すると推測しています。
100円で買えたモノがどーんと10億円出さないと買えないというわけです。
原因は石油価格の下落や、政府の金融政策や財政政策の大失敗、アメリカからの経済制裁など、さまざまな要因が重なってのことですが、とにかく自国通貨の価値が激減、モノの値段が急騰し国民生活は成り立たなくなりました。
これだけ激しいインフレが起きると、お札は紙切れ同然です。人々はお金を受け取るとすぐに生活必需品を買いに走ります。
しかし、そもそもの生産性が落ちているため必然的に品不足になります。そして、さらにインフレ。という最悪のループに陥りました。
現在でも、解決の兆しは見られていません。
2.デフレの問題点
今の日本はデフレ社会と言われています。
先ほどのインフレと逆で、モノの値段が下がり続けています。
デフレの良い所は、モノが安くなるので給与が変わらなければ、より多くの物を買うことができることです。
しかし、企業側からすると、企業は儲かりません。よって社員の給与は減ります。さらに儲からないと、企業は社員をクビにするか、最悪の場合、企業は倒産します。
モノが売れない→モノの値段を下げる→給与が減る→モノが売れない
という悪循環(デフレスパイラル)に陥ります。
日本がデフレ社会になったのも、値段の安い中国や東南アジアの商品がたくさん日本に入ってきて、国内の企業は安い海外製品と戦うために値段を下げざるを得ない状況になっていることが原因と言われています。
また、日本企業同士も、さまざまな企業努力によりモノやサービスの低価格を実現していますので、本当は国民生活は豊かになるはず。
しかし、日本人はお金を使わず貯金することを美徳とする考え方があります。
従って日本のデフレはなかなか解決しない状況が続いています。
3.まとめ
インフレ、デフレ、どちらが嬉しいか?
必ずしも、どちらが良いとか悪いとかはありませんが、どちらも行き過ぎるとヤバいのは事実です。
理想は、政府が「インフレ率2%目標」としているように、ゆるやかな物価の上昇に伴い賃金も上がっていくことでしょう。
インフレかデフレかは、企業業績や国民生活に影響します。
急激な騰落をしないよう、政府にはしっかりやってもらいたいところです。
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