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【メリット】副業でも開業届を出した方がいいのか?【デメリット】

働き方改革の一環として、副業を解禁する企業が多くなりました。
残業は減り給料も上がらない、自分の時間は増えたけどお金が増えないといった状況の中、副業を始める方は増えてきています。

会社員で副業をする場合、副業の所得が20万円を超えると確定申告が必要になりますが、副業を行っている人の中には、

「自分の特技を生かしたお小遣い稼ぎ程度であっても開業届を出す必要あるの?」

というような疑問をお持ちの方も多いと思います。

今回は、そんな副業を行っている人、これから行おうとしている方を対象として、
開業届とは何なのか?副業でも開業届を提出すべきなのか?
開業届を提出するメリット・デメリットは何なのか?等についてまとめました。ぜひ参考にしていただければと思います。

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1.そもそも開業届とは

開業届の正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」といい、各地の税務署で配布又は、国税庁のホームページからもダウンロードすることが可能です。
開業届の提出対象者としては、国税庁のホームページによると、
「新たに事業所得、不動産所得又は山林所得を生ずべき事業の開始等をした方」
事業の開始から1ヶ月以内に提出することになっています。

2.副業でも開業届は提出する必要性はある?

副業だから開業届を提出しなくてもOKというわけではなく、本業であれ、副業であれ、事業を開始したら開業届を提出しなければなりません。
しかし、副業を行っている人の中で開業届を提出している人は少ないようで、一方、本業でも開業届を提出していない人が多く存在するようです。
実際に、開業届を提出していなかったからと言って、罰則があるわけではありません。

実際、副業でも大きな割合を占めるアフィリエイトやネットオークション等のネットビジネスの場合は、「雑所得」に分類されることが大半で自ら「このネットビジネスから得ている所得は事業所得です」と言って、開業届を提出しない限り、副業の所得は「雑所得」扱いになることがほとんどということです。

つまり、副業を行っている人が開業届を提出するかは副業での所得が「事業所得」なのか「雑所得」なのか自分で判断し、「事業所得」であれば開業届を提出するということになるでしょう。ただし、「事業所得」か「雑所得」かそれぞれのメリット・デメリットがありますので、現段階の自分が、開業届を提出するメリットがどれだけあるのか、デメリットはないのかを確認した上で、開業届を提出するかを決めでください。
また開業届を提出する場合は、同時に「所得税青色申告承認申請書」も併せて提出し、青色申告のメリットも享受した方が良いでしょう。

3.副業で開業届を提出するメリット・デメリット

3−1.副業で開業届を提出するメリット

開業届を提出する主なメリットには下記があります。

•損益通算が可能になる
•確定申告書類が一式送られてくる
•屋号で銀行口座を作ることが可能
•小規模企業共済等に加入することが可能

3−1−1.損益通算が可能になる

開業届を出すと副業が「事業所得」となるため、所得税や住民税を計算する際に、他の事業や給与所得と損益の合算が可能ということです。
例えば、副業が赤字(副業収入から副業にかかった経費を引いたら赤字だった)の場合には、本業の給与の所得から副業の赤字部分を引くことができるため、その分、既に本業の給与から引かれた税金が還付されることになります。
開業届を出さなければ副業は「雑所得」になるため、他の所得と損益の合算ができません。

3−1−2.確定申告書類が一式送られてくる

開業届を提出すると、毎年11月ごろに税務署から確定申告書類一式が送られてくるようになります。その他にもいろいろと通知や連絡があるので申告を忘れるということが回避できます。

3−1−3.屋号で銀行口座を作ることが可能

銀行で事業用の銀行口座を開設する場合、開業届を提出することが必要になってきます。これにより、屋号で銀行口座を作ることが可能となります。

3−1−4.小規模企業共済等に加入することが可能

開業届を提出することで、小規模企業共済等に加入することが可能です。
小規模企業共済とは、個人事業主や会社役員のための退職金制度のようなもので、毎月共済金を積み立てて、事業をやめた際に受け取ることができるものです。
掛金全額所得から控除できるので貯蓄しつつ節税効果もあるものなので、開業届を提出したらぜひ加入を検討してみてはいかがでしょう。

3−2.開業届を提出するデメリット

開業届を提出する主なデメリットには下記があります。


•必ず確定申告しないといけない(副業での所得が20万円以下でも)
•失業保険をもらうことができない可能性大

3−2−1.必ず確定申告しないといけない(副業での所得が20万円以下でも)

開業届を提出すると廃業(廃業届を提出)するまでは、毎年、副業による所得が20万円以下であっても確定申告を行わなければなりません。
これを知らない人も結構いるため、注意が必要です。

3−2−4.失業保険をもらうことができない可能性大

開業届を提出すると、「雇用保険の基本手当」つまり「失業保険」の受け取り資格がなくなる可能性が高いです。
開業届を提出しているということは、収入はなくても事業を行っていることになるため、再就職の意思がないと見られ、基本的には失業保険の対象外になるかと思われます。

3−3.副業で開業届を提出する際のその他注意点

開業届を提出するメリットの中で、本業の給与と損益通算することが可能というお話をしましたが、給与所得者が偽の事業で大赤字を計上して、その赤字を給与所得と損益通算することで、給与から天引きされていた所得税をまるごと還付してもらおうとする悪質な脱税行為があるようです。
このようなこともあり、事業所得自体を否認され、赤字がなかったものとされる場合もあるようです。

税務署は毎年の確定申告でチェックしていますので、開業届を提出したとしても、収益が毎年上がっていないようでは、もしかすると事業所得としての申告は拒否される場合があるかもしれませんので、要注意です。

4.まとめ

副業で開業届を出すかどうかは、上述のメリット・デメリットを参考の上、副業の収入規模や継続可能性等を見極め、ご自身で判断することになります。
とりあえず副業を始めて、しばらく続けてみて、軌道に乗りそうであればその時点で開業届を出せば良いのではないでしょうか。
副業で年間20万円超の所得があれば確定申告の必要がありますので、年20万円を目安に継続的に収益が出そうならその時点で開業届を出してはいかがでしょうか。

同時に「所得税青色申告承認申請書」も提出するようにしてください。